【宅地建物取引士試験】合格後に改めて振り返る、良い&悪い勉強法

【宅地建物取引士試験】合格後に改めて振り返る、良い&悪い勉強法

やっと宅建士試験に合格できた今を振り返って、何が良くて何が悪かったのかを振り返ってみました。

マークシート方式の50問だからと侮ってはいけない

「宅地建物取引士試験」は、

  1. 受験資格がなく、誰でも受験することが出来る
  2. 国家資格である
  3. 「家」に住んでいれば、多かれ少なかれ「不動産」に誰しも関わっている
  4. 試験が「50問・マークシート方式」である

などが理由として、毎年20万人規模の受験者数を誇る人気資格なのではと思います。その中で一番受けやすいと思うのが4の「マークシート方式」だと思うのです。何しろその問題が分からなくても、1問・4択のうちどれか一つ塗りつぶしておけば正解する確率は25%ですからね。記述式とは違ってしっかりと塗りつぶしておけば解答できます。

 

 ただし、試験時間の2時間をタイマーをセットして実際に過去問を解いてみれば分かると思いますが、ほとんど勉強せずに一か八かの解答で合格点(50問中37点位の正解)に達するかと言えば、ほぼ出来ないでしょう。通算3回落ちている私が保証します(そんな保証いらんわい!)。

 

 確かに国家資格であることもさることながら、そもそも「宅地建物取引士」は知識や経験のある不動産業者に対して、高額な不動産の売買が一生に一度取引があるかどうかの消費者の味方になって不当な取引がないようにするために置かれた資格ですからね。そう簡単に一か八かの知識で合格されては、国としてたまったものではありません。

 

 またあくまで私の勝手な推測ですが、3の「多かれ少なかれ誰しも不動産に関わっている」ので、その売買や賃貸も含めて高額な取引となる不動産の知識を多くの人が持ってほしいということもあって、国としては受験しやすくしている意図もあるのではないかと思ったりします。

 

 しっかり知識を得て、自分の資産は自分で守りましょう。


通算3回不合格の反省点

私の不合格サイクルをご紹介しましょう。

  1. 「宅地建物取引士試験」の勉強を始める
  2. ムズいと感じ出すと勉強を中断してしまう
  3. 2によって、勉強間隔が空いてしまう
  4. 以前理解した部分も忘れがちになる
  5. 試験日が迫ってきて、慌てて勉強する
  6. 中途半端な知識で本番を迎えてしまう
  7. 当然のことながら不合格の結果通知
  8. 落胆して勉強止める
  9. ブランクあってまた受けてみようと思う
  10. 最初の1に戻る

 先ほどの「マークシート方式」に加えて、参考書と過去問のみで安く済ませて(国家資格に)合格しようと思ったこともいけませんでした。受験生の中には書店などでそれら2冊を購入しただけで合格されている方はいるかもしませんが、私のように「飽き性で、根気がない」人にはこの安価で済ませる方法では合格率低いと思います。


ゲーム感覚勉強法が良かった!

「飽き性で、根気がない」私に転機が訪れた方法がこのゲーム感覚勉強法です。当然のことながら私が生み出したものではありません。フォーサイト通信講座のおかげで合格できたのです。

 

 その通信講座内のゲーム的要素とは、前日の勉強頻度によって級・段位が変わることでした。最高位の「10段」を目指して毎日ログインして勉強します。初めての参加だと3000級くらいだったでしょうか。そもそも受講している方全てがこの受講生専用サイト(道場破り)に登録して勉強しているわけではないので、この専用サイトを使って勉強始めた頃はどんどん級位が上がってくるので、毎日順位を確認するのが楽しかった記憶があります。

 

 またその専用サイトにはもう一つゲーム的要素がありました。それは各テーマごとに20問出題されるお相撲さんゲームがあり、そのうち16問以上正解すると番付が上がっていくものでした。同じ問題をチャレンジしていくので、何回もやっていくと問題自体を覚えていくので正解率があります。それと同時にその問題の理解や暗記が出来てくるので勉強が進むというものです。実際に番付が最高位になった画像はありませんが、「横綱」になると自分のハンドルネームが一覧に載るので楽しみの一つとなります。当然のことながらその専用サイトでの勉強を怠ると、「大関」⇒「関脇」と降格していって一覧表には掲載されなくなります。

 

 そんなこんなで毎日専用サイトでログインしては、勉強する(しないと順位が下るので)ようになりました。またこの問題を何回やったかも記録されるので、「毎日自分はよくやっている」という視覚的な要素も後押しします。


「宅建業法」の振り返り

宅建士試験の4つの分野のうち、一番本番試験で50問中20問とあって最重要分野です。なぜなら理解がしやすく、暗記していれば正解できるからです。出来れば満点を目指しましょう。

 

 またこの分野は不動産屋さんの仕組みが分かるので、実際に資格を取得して業務で使うことがなくても、個人で不動産を売買するようなときにきっと役立ちます。

 

 まずは得点が稼ぎやすい、稼がなければならない「宅建業法」を最初に勉強し、そして早く終わらせましょう。なぜなら、(人によって違いはあるかと思いますが)一番難解な「権利関係」の勉強に時間がかかるからです。この「宅建業法」よりも倍までとは言いませんが、それくらい何回転も過去問&間違い箇所のテキストチェックを行うための予定を組んでいたほうが良いです。本番から勉強開始までの逆算をして、早めに無理のないスケジュールを今から(最初の宅建業法を勉強する前から)立てておきましょう。

 

 なお暗記法については、人それぞれの勉強法があるかと思いますが、私は

  1. とりあえず過去問を解く
  2. 不正解もしくは不明な箇所をテキストで辞書を引くように確認
  3. もう一度過去問を解く
  4. 総合問題を解く
  5. 不正解もしくは不明な箇所をテキストで辞書を引くように確認

をして繰り返し繰り返し何回転かやっていくと、自然と用語や数値が頭に入ってきます。

 

 あまり覚えようと気負わずに、ひたすら1〜5を何回転かやればOKだと思います。


「法令上の制限」の振り返り

都市計画から始まる「法令上の制限」の分野は、その知識が今後不動産売却物件の物件概要欄を見ただけで、当該物件の概要を知ることが出来るようになります。たとえば都市計画の始めの勉強として、

1.市街化区域

@すでに市街化を形成している区域
Aおおむね10年以内に、優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域
 その区分および各区域の整備開発、または保全の方針を都市計画に定める

2.市街化調整区域

市街化を抑制すべき区域
その区分および各区域の整備開発、または保全の方針を都市計画に定める

3.非線引区域

市街化区域および市街化調整区域の区分のない区域
 という区分があります。

1.の「市街化区域」であれば、
⇒(都道府県は)都市化したい ⇒ 人口が集中して、建物が多く建っている地域

 

また、2.の「市街化調整区域」であれば、
⇒(都道府県は)都市化させたくない ⇒ 田畑・山林・原野が続いている地域

であることが分かります。

 

 つまりは「市街化調整区域」と物件概要に記載されていれば、基本的に土地を購入して建物を建てることが出来ない(※)地域であると物件概要欄を見れば分かるということになります。(※例外はあります)

 

 このように土地や建物を購入したり建築したりする場合には、さまざまな制限があります。それを事前に物件概要から読み解くことで、高額な不動産取引において知識のない一般消費者が(ex.建築できない市街化調整地域の土地を業者から買わされることから)守ることができます。それは自分自身においても役立つことでしょう。

 

 「法令上の制限」もどのような場合において制限されるのかということを暗記しなくてはなりません。過去問やテキストの反復はもちろんですが、「自分が不動産取引した場合に、これを知っていたら得をする(損をしない)だろう」ということを想像しながら勉強すると、さらに頭に入りやすいかもしれません。


「その他の法令」の振り返り

「その他の法令」で勉強する概要は、
1.土地及び建物(※)
2.宅地及び建物の需給及び実務(※)
(住宅金融支援機構、不当景品類及び不当表示防止法、統計)
3.宅地及び建物の価格の評定
(不動産鑑定基準、地価公示法)
4.宅地及び建物についての税
(宅地及び建物についての税のかたち、不動産取得税、固定資産税、所得税、登録免許税、印紙税)

 

《※1及び2は登録講習受講者5点免除の方は勉強不要》

 

となります。この分野の出題数は8問。建物、不動産鑑定基準、税金の項目は比較的正解率が低い項目です。通信講座のテキストで赤文字で記されている基本的な箇所をチェック及び暗記しておくと良いでしょう。易しめの問題が出たときはラッキーです。

 

 ただし、「不当景品類及び不当表示防止法」と「統計」は比較的容易なので落とさないようにしましょう。「統計」についてはフォーサイトの通信講座から本試験のおよそ1月前に統計資料の追加資料の発送してくれるので、そちらの最新データを覚えておけば1点ゲットしやすいです。

 

 おしまいに、建物(建築)についてのお話。私は建築会社に勤めていますのでそちらの問題の正解率は良かったです。私が受験した令和2年の10月試験のNO.50の問題は全50問中一番最低の正解率だったようです。

【問50】 建築物の構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

 

1. 建物の構成は、大きく基礎構造と上部構造からなっており、基礎構造は地業と基礎盤から構成されている。
2. 基礎の種類には、基礎の底面が建物を支持する地盤に直接接する直接基礎と、建物を支持する地盤が深い場合に使用する杭基礎(杭地業)がある。
3.直接基礎の種類には、形状により、柱の下に設ける独立基礎、壁体等の下に設けるべた基礎、建物の底部全体に設ける布基礎(連続基礎)等がある。   
4.上部構造は、重力、風力、地震力等の荷重に耐える役目を負う主要構造と、屋根、壁、床等の仕上げ部分等から構成されている。

 

正解は3となります。直接基礎の種類には、

(A)独立基礎・・・柱の下にだけ束石やコンクリートを敷く方式
(B)布基礎・・・・・複数の柱に対する基礎を一体化させる方式
(C)ベタ基礎・・・・全ての柱に対する基礎を一体化させる方式

があります。上記の問題は(B)と(C)が反対だったわけです。ちなみに現在私の勤める会社の木造新築工事では(C)のベタ基礎が(たぶん他社でも)ほとんどです。木造の場合、シロアリの防止・湿気とカビを防ぐ(通気は必要)・地震に強いというメリットがあります。分かりづらいかもしれませんので(フォーサイトのものではありませんが)この問題のみの解説動画を見つけましたので、興味のある方は音声が出るのでヘッドフォンをするなどしてご覧↓ください。

 

 

 人に聞いた話ですが、不動産会社の方は上記のようなことを始めとする「建築分野」に疎い方が多いようです。不動産会社の方は建築現場へ行くことないですからね。建物は修繕ありきなので知っておくと良いのですが、建築用語はなかなかテキスト見て覚えるのは難しい。私も現場や図面をみて覚えました。

 

 不動産会社のHPの「スタッフ紹介」などを見ると、取得資格に「宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、マンション管理士・・・」などの不動産関連資格はありますが、一緒に「建築士、(建築、管工事、電気)施工管技士、電気工事士・・・」などの建築関連資格を合わせ持っている人はあまりいません。なので、これから不動産会社に就職しようとする方は不動産関連資格だけでなく、「建築関連資格」も持っていたりすると社内で重宝されるかもしれません。


「権利関係」の振り返り

あまり深入りするとドツボにハマりやすい分野です。民法は条文も多く、解釈が法律の専門家によっても違ったり、他の特別法などとの関係が密接であったりと複雑です。

 

 だからといって「勉強すること自体をパスして、他の分野を完璧近くにすれば良い」というのはモッタイナイ。なぜなら民法は私たちが生活する上で一番身近な法律であり、それを(裁判官・検察官・弁護士さんなどの法曹関係の方々からしたら初歩レベルの民法を)理解しておくことは、今後「宅地建物取引士」としても個人としても役立つものだからです。

 

 せっかく生活に役立つ「民法」を勉強する機会があるのですから、早めに他の分野を終わらせて、権利関係を問題文や解説をゆっくり時間をかけて読み込んでみましょう。


まとめ

通信講座の料金は参考書と過去問2冊の金額に比べたら高いです。勉強をする意志の強さや時間管理がしっかりと出来る方はそれでも良いかもしれませんが、それらが出来る方ばかりではありません。(私は出来ませんでした)

 

 それなら合格するための環境が整った通信講座を利用してさっさと合格してみませんか。時間は有限です。1回で合格して、また違う資格にチャレンジしてみたり、その他の勉強したいことや自分のやってみたいことへの時間に割り当てましょう。私は資格取得を始めとするさまざまな勉強への「自己投資」はお金がモッタイナイなんて思いません。どんどん投入するのが良いと思います。なぜなら、その知識や経験によってもっと収入が増えたり、コストダウンしたり出来るのですから。

 

 人生長いようで短い。貴重な時間を普段より多くのお金を投じてでも、今後自分の糧(知識や経験)となるものを増やしましょう。それも一生を終えるまでの時間、長〜く使えるよう1歳でも若いうちにです。

 

 あなたが「宅地建物取引士資格を取りたい!」と感じたのなら、今すぐ行動に移しましょう。


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